Office NESHA presents movie guide
May/ Jun. 2002

目次
(この色の作品は★★★★以上獲得作品です)
レイティングは★★★★★が最高点。
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この素晴らしき世界
ワンス・アンド・フォーエバー
フォーエヴァー・モーツァルト
暗い日曜日
アトランティスのこころ
ノー・マンズ・ランド

One Point Critics
マジェスティック/ブレイド2/ニューヨークの恋人
アイ・アム・サム/ザ・ロック スコーピオン・キング
父よ/ルーヴルの怪人

愛しのローズマリー/パニック・ルーム
サウンド・オブ・サイレンス
ローラーボール/少林サッカー/KT



この素晴らしき世界(1999,チェコ)
★★★★

  チェコ映画『この素晴らしき世界』は、最近の第二次大戦ものブームの決定打的傑作である。 ナチ占領下のプラハ。チージェク夫妻のアパートに、かつての隣人のユダヤ人青年が、ゲットー脱走に成功して逃げ込んできた。「お願いだ、助けてくれ!」夫婦の許にはドイツかぶれだが、お人好しのナチ党員、ホルストがしょっちゅう遊びに来る。見つかれば全員死刑だ。さあ、どうする!?
 『アンネの日記』を彷彿とさせる、極限での緊張のドラマが、なんと軽快なコメディとして描き出す。人間の喜びと哀しみを浮かび上がらせつつ、戦後ソ連軍が入ってきてからの大どんでん返しまで、泣き笑いの連続。ラストでは「人を裁くな」というメッセージと、戦争の犠牲者への鎮魂の思いが、かつてない感動を呼び起こす。
 だがこの傑作も最初、チェコ本国では「戦争映画には若い観客が来ない」と、製作者から断られ続けたという。そこで監督の友人の出版社員が、脚本のノベライゼイションを出版。その評判を受けて ようやく企画が通った。

(6月29日より、東京・岩波ホールにてロードショー)
[メディア・ファクトリー『ダ・ヴィンチ』 2002年7月号より]


ワンス・アンド・フォーエバー(1996,仏−スイスほか)
★★1/2

  最近ハリウッドで戦争映画が量産されている。その背景には『プライベート・ライアン』以降、CGを用いて、より迫力のある戦場場面を表現しようという、クリエイターの意欲がある。
 この映画はヴェトナム戦争で米軍が最初に行った大規模な軍事行動、イア・ドランの戦いを、凄惨に描いている。
 原作は現実にイア・ドラン作戦を指揮した軍人と、戦場ジャーナリストが書いたノン・フィクション。泥と汗にまみれた戦場の空気が、客席まで漂ってきそうな映像も力強い。最近の戦争映画の中では出色の手応えがある。
 主演のムーア中佐役にメル・ギブソンを配し、『ブラックホーク・ダウン』のように戦場をシューティング・ゲーム化せず、きちんと人間を描写している作りに好感が持てる。敵対する北ヴェトナムの軍人も人間味をもたせて描き、彼らにも家族があることを打ち込む脚本も上出来だ。
 とてもよくできた映画なので、見に行って損はしない。ただし、予備知識を持たずに見ると、とんでもない勘違いをしかねない劇薬でもある。
 イア・ドランの戦いに米軍は辛勝するが、この後十年近く、泥沼の軍事行動をずるずる続け、最終的には介入を中止する。つまりアメリカは北ヴェトナムに負けたのだ。ところがこの映画を見ていると、なんとなく「アメリカは勝った!」という気がしてきそうなところがヤバイのだ。
 義務に忠実で友情に厚い米兵たちは立派だし、彼らの犠牲は尊い。そんなことは当たり前だ。だがアメリカが頼まれもしないのに、ヴェトナムに軍事介入をしなければ、米兵たちだって死なずに済んだことを、忘れてはならない。
 負け戦の歴史を振り返り、景気のよかった時期だけを取り上げ、「あの戦争は正しかった」と主張するのは、犯罪的詐欺である。この映画はもちろんそんな詐欺を狙った作品ではないが、誤解してか、アメリカ本国・日本の両方ででまで、馬鹿なことを抜かしているヤツらがいるので、敢えて一言しておく。

(6月22日より東京日劇1他全国東宝系にてロードショー)
[集英社『週刊プレイボーイ』No.28, 2002年7月8日号]


フォーエヴァー・モーツァルト(1996,仏−スイスほか)
★★★1/2

  世界各地の悲惨な戦争報道に触れ、「オレは平和な日本で、ヘラヘラしていていいのか?」と疑問と罪の意識を感じる。「何とかしなければ」と、拳を握りしめる。だけど何をすればいいのか、何が出来るのか分からない。考えてはみたが、訳が分からなくなって、結局寝てしまった……こんな体験、誰にでも一度はあるだろう。
 そんな心の奥にあるモヤモヤに、再び攻めの姿勢で、取り組む糸口を与えてくれる作品がやってきた。
 監督のJ・L・ゴダールは、かつてヌーヴェル・ヴァーグなる映画史の転換を成し遂げたカリスマ。しかし七十年代以降に作った映画はワケ分からんものばかり。イケスカないインテリ連中だけに持てはやされ、裸の王様になり下がっていた。
  ゴダールの真価は、芸術ごっこにはない。六十年代後半の反戦と政治の季節に、社会変革運動の欺瞞と限界をいち早く見抜き、社会の根源的矛盾に、人間は、映画はどのように取り組むべきか、格闘を続けた点が凄かった。その凄みが、本当に久しぶりに、この映画で戻ってきたのだ。
  戦場に芸術で慰めをもたらそうと、平和なスイスから戦火のサラエボへと、のこのこ戦場に旅立つ劇団。中心となるのは、戦争を知らない二十代の若者たちだ。その青臭い理想は、苛酷な現実のなかで裏切られてゆく。
  伏線として六八年の学生運動で挫折した両親の世代、昔スペイン内戦に参加し、自由のために戦った、老齢の映画監督の心の痛みが絡み合う。
  オシャレやSFXとは無縁の映像と音楽は、凡百の映画より刺激的、時には暴力的にに迫ってくる。そして「世界の悲劇を傍観していていいのか?」「のほほんと映画なんか見ていて(または「作っていて」)いいのか!?」「映画なんかに何の意味があるのか!?」と、客席の観客に鋭い刃を突きつける。
  カリスマ監督が平和ボケ日本に叩きつけた、正義と良心の手榴弾。全身全霊で受けて立つがよい。

(6月22日より東京渋谷・ユーロスペースにてロードショー)
[集英社『週刊プレイボーイ』No.24, 2002年6月11日号]


暗い日曜日(2000, ドイツ―ハンガリー)
★★★

  1930年代フランスで人気爆発、戦後日本でも美輪明宏などがカバーし、アンニュイなアート好きの間で人気を博したシャンソン、「暗い日曜日」。この歌独特の倦怠感とデカダンスは、日本ではフランスらしい味わいだと思われていたが、実はハンガリーでできた歌である。
  しかも作曲者の謎の死、自殺者の枕元でこの歌のディスクが回っていたなどの都市伝説が続出。呪われた歌として不安な世情のなか、更にヒットしていった不思議な歌なのだ。
  ドイツ人監督の手になる映画『暗い日曜日』は、史実をほぼ完全に無視し、この歌が作られた過程をフィクションとして創造し、、エキゾティックな美女が体験する、数奇な恋と歴史の行方を追った異色作。曲の持っているミステリアスなオーラを最大限に利用して、近年珍しい味わいを醸し出した、香り高い一品である。
  舞台はハンガリーの首都で「東のヴィーン」とも呼ばれるブタペスト。第二次大戦を背景に繰り広げられる美女と男三人の恋物語だが、『シンドラーのリスト』的ユダヤ人救済美談の内幕を暴く骨太な社会性も秘められている。

(6月1日より、日比谷シャンテ・シネにてロードショー)
[メディア・ファクトリー『ダ・ヴィンチ』 2002年6月号に一部加筆訂正]


アトランティスのこころ(2001,米−豪ほか)
★★

  ホラーの鬼才小説家、スティーヴン・キングの名は、最近の映画界では感動の名作を保証するお墨付きになっている。『スタンド・バイ・ミー』以降『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』と、多くの映画ファンが生涯のベスト・ワンに挙げる作品が生まれてきた。
  感動系のキング作品の魅力は、恥ずかしいほど胸キュン(死語?)な物語が、ディテールへの奇妙なこだわりや、古き良き時代に向ける皮肉な視線とバランスを保っているところにある。だから昔ながらの感動の物語をうさんくさいと思う、現代の観客に支持されたのだろう。
  五〇年代のアメリカの田舎町。シングル・マザーに育てられるひ弱な少年が、心優しきエスパーと出会い繰り広げられる、かけがえのない日々の物語。しかも主演のエスパーがアンソニー・「ハンニバル」・ホプキンスと来れば、悪いはずがない。
  だが『シャイン』のスコット・ヒックス監督はキングの世界から、このこだわりと皮肉を徹底的に抜き去ってしまった。その結果、全編にはメリハリがなく、のっぺりした映画になっている。
  美しい映像と、癒し系のエピソードの数々も、切れ目なく繰り出されると、飽きが来る。あざとさを避けて、極力さりげに徹しようとする演出も悪くはないのだが、もう少しはひねりや辛みが効いていないと、胸に刺さってこない。
  つまりこれは、キングの世界を、テレビの『渡る世間に鬼ばかり』並みに口当たりよくした映画。そう言えばホプキンスの顔が泉ピン子に見えてくる瞬間があった。
  見終わった感触は、つい甘いものを食い過ぎたときに感じる、膨満感に似ている。満腹したような胸焼けが起こるだけで、真の感動とは似て非なるものだ。
  だから甘い物好きの女子供は、きっと涙を流して感動するだろう。しかし大の男の魂を揺さぶるには、もっとスパイスを利かせ、大柄な世界を構築してもらわないと困る。
  逆に個人的にはS・キングが大の苦手なので、ラスト30分の事件に生理的嫌悪感を覚えた。むホプキンスの抑制した芝居は良いし、窓と鏡を利用した構図、フランスの現像所を使った映像美など、見るべき所は多い。押しつけがましさのない演出が、却ってキングの体臭を強めているところが興味深い。

[集英社『週刊プレイボーイ』No.22, 2002年5月28日号・東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年5月8日号]

ノー・マンズ・ランド(2001,英−伊ほか)
★★★

  ふつう映画欄で、あらすじ説明に大半を費やしている記事は、さほど見所がないから、物語紹介でお茶を濁している場合が大半だったりする。
  でもこの映画の場合は別である。90年代のボスニア―ヘルツェゴヴィナ内戦の悲劇を描くという、近年ちっとも珍しくないテーマで、うるさ型の批評家をうならせ、世界中の主要映画祭で脚本賞を多数獲得した魅力をは、脚本の技の賜物なのだ。
  セルビア軍とムスリム軍の「停戦地帯」(ノー・マンズ・ランド)に偵察に出掛けた敵同士が、二対二で衝突。イッちゃってるセルビア兵が、敵の足を撃ち歩けなくして、地雷の上に横たえてしまう。最近の対人地雷は踏んだとき爆発するのではなく、足を上げる瞬間に爆発するのだ。仕掛けた本人はすぐ射殺され、残された三人は気付く。
地雷が爆発したら、自分たちも巻き添えになって死んじゃうじゃないか! 敵味方を越え、助けを呼ぶための大奮戦が始まる。
  ところが場所は停戦地帯。軍隊が攻め入ると国連の停戦監視団から威嚇をされるから、敵も味方もどちらも手出しができない。当の国連軍は、本部の背広組の許可がなければ、勝手に停戦地帯に入る権利がない……みんなが殺し合っている戦場で、大の男が指をくわえて見てるしかない、妙な事態が生まれてしまった。
 「お前たちのせいだ!」「いやそっちが悪い!」当事者の兵士たちはイガミ合いつつ、奇妙な連帯感で結ばれ始める。心が和み合ったかと思うと、敵味方という現実が、再びとってつけたような緊張を呼ぶ。その行動と心理が、こんなに深刻な事態なのに、見ていてメチャメチャ笑えてしまう。極限状態でのユーモアという点では、ヒチコックもビックリの娯楽映画なのだ。
  そんな笑いが不謹慎にならないのも、コメディ・タッチの奥に国連主導という中立政策の欺瞞性を暴き、西欧メディアの無責任さを突いてゆく、ワザが見事だから。ふつうの人からひねくれまくった映画通まで全員をうならせる、したたかな語り口に唸ること間違いなし。前代未聞の社会派コメディ戦争映画としてお薦めである。

(5月25日より、東京渋谷シネアミューズにてロードショー)
[集英社『週刊プレイボーイ』No.15,2002年4月16日号]



One Point Critics


マジェスティック(2001, アメリカ)
★★

  安直。古き良きハリウッド映画を再現しようとして、雰囲気づくりに汲々とするばかり。たとえばキャプラ監督の傑作陣が、卓越した発想と繊細で緻密な脚本・演出に基づいていることを、きちんと研究していれば、この醜態はなかったはずだ。映画館の再建で村の再生を図るエピソードに、芸のなさが集約されている。
(6月22日より、東京・丸の内ピカデリー1他全国松竹・東急洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年6月5日号より]

ブレイド2(2002, アメリカ)
★1/2

  一本目って、いつやったの? 存在すら知りませんでした。吸血鬼ものと思ったらとカンフー、チャンバラ、VFX、『エイリアン』から『ゾンビ』等々、千変万化の展開に驚いた。期待しないで見ると楽しいが、演出や編集に全編を貫く緊張感が乏しく、金を掛けたB級に留まっている。
(6月15日より、東京ニュー東宝シネマ1他全国東宝洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年6月19日号より]

ニューヨークの恋人(2001,アメリカ)
★★1/2

  ハリウッドで『男はつらいよ』をメグ主演でリメークしてほしくなる一本。
(6月15日より、日比谷スカラ座1他全国東宝洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年6月19日号]

アイ・アム・サム(2001, アメリカ)
1/2

  コーヒー一杯入れられない知的障害者が、なぜ赤ん坊のミルクを作れる?!子供はどうやって言葉を覚えたんだ??ハリウッドの感動ものに理屈を求めるのは野暮とは言え、ここまで設定が杜撰だと、文字通り話にならない。それでいてさりげなさを装う映像と演出に苦痛をおぼえた。
(6月8日より、東京・丸の内ピカデリー1他全国松竹系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年6月5日号より]

ザ・ロック/スコーピオン・キング(2002, アメリカ)
★1/2

  40歳以上のB級大好きオヤジは、懐かしさで随喜の涙を流しそうな活劇。60年代末に大作のセットを横流しして作ったイカサマ史劇や、70年代ハリウッドの一発芸アクションにあった、チープな見世物精神が満載。「格闘家主演映画はB級」という黄金律に則ったくだらなさにはまれればよかろうが、スクリーンで見る必要はないというのが偽らざる感想。
(6月8日より、東京・日劇3他全国東宝洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年6月5日号]

父よ(2001, フランス)
★★1/2

  青を基調にした映像が美しく、地味な物語を映画として成立させている。
(6月23日より、東京シャンテ・シネにてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年6月5日号]

ルーヴルの怪人(2001, フランス)


  当節流行のフランス溌、SFX系B級ホラー。ソフィーは金に困っているのか?
(6月15日より、渋谷東急3他全国東急洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年6月5日号]

愛しのローズマリー(2002, アメリカ)
★1/2

  ファレリー兄弟のギャグのセンスは、小学生レベルなのだと納得。設定もドリフのギャグを思い出した。本家?ドリフほど芸がないのは、スタッフの頭が大人になりきれていないからだろう。目くじら立てて怒るのは文字通り大人げないし、過剰に感動するのは子供じみている。G・パルトロウに初めて魅力を感じた。
(6月1日より、日比谷映画他全国東宝洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年5月22日号]

パニック・ルーム(2002, アメリカ)
★★

  古典的なサスペンスをやるには、監督の演出力が明らかに不足。『アザーズ』と比べれば差は歴然。普通の映画ファンには、前半の往年の傑作を意識したカメラ遊びが鼻に付くし、この監督のファンなら、後半が食い足りないのでは。こういう話はもっとタイトでないと。キャスティングが豪華だから、わざわざ大作にした?
(5月19日より、渋谷バンテオン他全国東急洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年5月22日号]

サウンド・オブ・サイレンス(2001,アメリカ)
★★1/2

  サイコ・サスペンスとして見ると食い足りないし、ご都合主義の展開はいくらでも突っ込める。けれどタイム・リミット付きアクションものだと思えば、妙なこだわりの作りがない分、すっきりまとまっている。手持ちカメラを多用した画面がやや煩わしいが、M・ダグラス主演製作としては上出来の部類。予想外に退屈せず見られた。
(5月25日より日比谷スカラ座1他全国東宝洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年5月8日号]

ローラーボール(2002,米-日)
★★

  何でこの話をリメイクするのか分からない。舞台を旧ソ連圏に設定した工夫を除けば、前作同様、金のかかったB級アクション以上のものではない。1時間40分以内にまとめたのが幸いし、退屈しないのがせめてもの救い。レノの演技は日本のCM並み。マクティアナンらしさもなし。
(5月中旬より日劇3他全国東宝洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年4月25日号]

少林サッカー(2000,香港)
★1/2

  香港コメディ独自の、しつこいけれど冗長で間延びした世界に、正直退屈した。この手の作品を一度も見たことがない人にはいいかもしれないが、内容もギャグも演出も、15年くらい前のフジテレビのお笑いドラマ(バラエティではない)に毛の生えた程度。アイデアは悪くないがそれだけ。
(6月1日より渋谷東急他全国東急・松竹洋画系にてロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年4月25日号を一部訂正]

KT(2001,日本)
★1/2

  志が高くても取り組む姿勢が真摯でも、作品がここまで未整理では評価できない。俳優はみんな渾身の演技だし、扱ってるテーマには重要なことがたくさん含まれているが、ストーリーが頭に入ってこない。スタッフの力量不足の結果、好きな人だけ見ればいいという域に留まっている。
(5月3日より渋谷シネアミューズ他全国ロードショー)
[東京ニュース通信社『テレビブロス』2002年4月25日号を一部訂正]



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